読んだー。


PAY DAY!!! (新潮文庫)

PAY DAY!!! (新潮文庫)


ずっと読んでみたかったお話。9.11が存在する世界。
あーもーわかる!わかるよ!!ていう気持ちや愛が溢れてる。悔しさも哀しみも妬みも。
そんでもって、無駄なものがなくて、わかりやすくてきらきら眩しい。
やっぱ山田詠美はすごいなぁ。て思う。
書くことがとてつもなくシンプルでだからこそ強烈でちゃんと記憶に残る。
不思議。
てかもう、よけいなこと言わんとじんわり余韻に浸ろうと思います。
…解説読んだら、わたしが言いたかったこと見事に代弁してくれてたからさ。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)  海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

※ネタバレありっぽいので一応畳みますよ。


海辺のカフカ。なんていうか、やっぱりずるずるずるずる引っ張り込まれるよこの人!ていうザワザワした気持ちで読んだ。
魚が降るっていうナカタさんの言葉の「は?」て思ってたら、もうヒルが降ってきた、みたいな感じ。引っ張られ続け。
そんでもって、相変わらず話以上にいろんな世界がもりこまれてて、きっと「村上春樹」ていう人にはまったら、この人物以上にそれに付随するあらゆる知識や思想にどっぷり浸ることになるんだろうなぁ、とぼんやり思った。メタファー。


それにしても、こういう生は死をもってしないと解決せんかったのかなぁ。
わたしの頭が悪い(あんまり深く考えない性質)ので、文章をそのまま飲み込むと、人の死を完全な死にしない為に生きる、ていう選択をしたように見えたんだけども。
そうなると自分の為に生きる以上に人の為に生きる、てことになるんじゃないの?
もちろん、それでも最初は良いのかもしれないけど、記憶が薄れれば薄れるほどその動機は消えてっちゃわない?
そしたら、また同じことのくり返しになるんじゃないの?
あ。でもその記憶が薄れる頃にはまた新たな動機(出会い)があるのか。
けっきょく人が生きるのは、出会いと別れのくり返し、てこと??
…と、ぼんやり考えているものの、いまだうまく飲み込めず。(実はちょっと前に読み終わって、それについて納得できなくて放置してた。)


もちろん、自分ひとりで生きることなんてできないし、こうやって人と(その人の言動やら記憶やら)の関わりの中で生きてかなきゃいかんのだけど。
世界でいちばんタフな15歳の少年、なんてもんも幻想に過ぎない、てのもよくわかる。
だって、ひとりで生きる為の強さなんて脆いもんでしょ。ひとりで生きるのと自立は違う。
でもなぁ。。。。


あと、あの予言の意味もうまく飲み込めなかった。
自分でそう思い込んでるからその通りになるんだよ、ていう気持ち悪さ、のような。
もちろん、わたしも偶然なんてもんはないと思うし、偶然ぽいことでもきっちり意味があるんだよ、と思ってる(だからそれぞれを大事にしたい、とも思う)。
でも、それをあの予言で言おうとするのなら、ちょっとよくわからんよ。
だって、どんな出来事もたとえ偶然であっても、人がひとり考えたらなんとでも言えるもん。空から石が降ってきた、ていうことを人が考えたら神のお告げにもなりえるし世界の滅亡のはじまりにもなりえる、という意味で。


ほんとに、実際どんな意図があるんだかうまく理解できない。
たぶん、そんなこと本当はどうでも良いことなんだけどさ。
気になる。。。。
今度学校行った時に誰かに聞いてみよう(わたしの学校はそういうこと常々考えてる人の巣窟)。