どっかり。


社会人になってはじめてまともに覚えたことは、満員電車で意地でも本を読む方法、だと思う。
というわけでどかっと記録。


黄色い目の魚 (新潮文庫)

黄色い目の魚 (新潮文庫)

あーうーんー。ちょっと厳しかった。
この長さがあるのに、あまりひろがらない。そして何より、共感ができないなぁ。ていうのが率直な感想。アマゾンさんで衝動買いして、大して予備知識はないものの期待は大きかったから、ていうのもあるのかもしれないけれど。
でも、すごくシンプルでかんたんな言葉をえらんで書かれているなぁ、というのもあった。
たぶん、読むタイミングが違えばきっと好きになってたと思う。


ひとつの物語をそれぞれA面とB面の2対にわけた短編集(日本語ってむずかしい)。
で、あーなるほどーと思うものもあれば、この特殊な構成に呑まれちゃってるようなものもあって、すごいなぁすごいなぁすごいなぁ、がたくさんあった。
三浦しをんのはニヤニヤしてしまって、森絵都はうまいなぁと感動して、ほかにもいろいろ。


永遠の出口 (集英社文庫(日本))

永遠の出口 (集英社文庫(日本))

あーもうこういうの読みたかったの!!みたいな気分でワクワクした。タイムリー。
ていうか、わたしにとってものすごくリアルでものすごく引き込まれた。とにかく。
小学3年生から高校3年生まで、ていうひろーい濃いぃ時間の中で、うまいこと絶妙なところを切り取っていて、その時の心情が本当にリアル。しかも、自分が忘れてたようなところを絶妙についてくる、みたいな。ベタベタに言うてるけれども、大袈裟じゃなくて本当に。
この時を思い出すとちょっとズーンとなってしまう、ていう人ほど読んでほしいかも。


カンガルー日和 (講談社文庫)

カンガルー日和 (講談社文庫)

どれもこれもやっぱ短編うまいなぁ!とある意味びっくりしながら読んだ。もろに夢の世界だか願望の世界だか、ていう印象はあるけれど(モテモテなあたり)。
アシカの話やらパスタをゆでる話やら、やっぱこの選び方はもうセンスだよな!てほんとに思う。技術とか想像力とか構想力とか頭の良さとかじゃなくて。そうじゃなきゃ「家内に言われたので」つって図書館忌憚なんか書けないよ。ほんとに。


東京タワー (新潮文庫)

東京タワー (新潮文庫)

江國さん、ていう気がしない話。
男の子ふたり、それぞれ対極的な感じにしたかったような気がしないでもなかったのだけれど、途中からだんだんだんだん曖昧になってきて、しまいには、わたし自身もよくわからなくなった、気がする。わたしが女だからなのかどうなのか、よくわからないけれど、さいごの、あの流れはあり得るのか、ていうよりただわかんない、ていう印象で。いまいちうまく消化できない。
江國さんて、こういうはっきりとした出来事が起これば起こるほど、淡々と事実だけをならべる文章を書くなぁ、て最近よく思う。たんたんたんたんていう音が聞こえてもおかしくないくらい。