そういえばこないだ。


男たちの大和を見ました。えー。きっとおもしろくないんだろうなぁ。。。とは思っていたものの、案の定。


以下、あんまり知識のないわたしの個人的な好きだから許せない批判の嵐。
でも、特にネタバレはほぼないです。


とりあえずまずはそういう中途半端な見せ方はやめてください。ということを。
だってね。日本映画の特撮がいつもいつもあちゃー!!と思ってしまうのは、どう考えても見せ方が悪いんだと思うのさ。だって、特撮使わない映画って、ものすごく良いものいっぱいあるじゃない。なのに、特撮(特殊効果)使った瞬間あちゃー!!!!!!!て叫びたくなるこの感じ。たとえば、特殊効果ほぼ使ってない仄暗い水の底から [DVD]はもうその雰囲気だとか「ガン!!」ていう音だけでバリバリ怖かったじゃない?でもさ、(と言いながら怖くてあちゃちゃなのを思いつけない←怖いの滅多に見ないから)たとえばバトロワ。映画見た後どうしてもわたしにはあのグロさぐらいしか印象に残らずに、けっきょくなんじゃこりゃー!と思ってしまったのよ。おんなじびっくりしてからだが勝手に「ビクッ」としてしまう映画なのに、どうしてこうも違うのか。
それはきっと、そういう特殊効果に頼りすぎて映画つくってるからだと思うんだよ。
だってさ、だってさ、こうやって比較できるくらいこの差が激しい。むしろ使わないほうがおもしろいのわんさかあるよ。ってどうしても思うんだもん。好きだから。いや、特殊効果を一切使わないでください、とかは思ってないよ。だって、使ってくれた方がおもしろくなることもたくさんあるし、現実的につくれなくなる映画もいっぱいあるからさ。
だからね、わたしはどうせこういう特撮やら特殊効果やら使うんだったら、それに頼るな。そしてそれを目的にするな。とわたしは言いたい。声を大にして。だってさ、こういう効果に関しては、どう考えたってハリウッドには勝てないじゃない。お金が違うんだもん。技術はどうなのか知らないけれど。それなのに、ハリウッドと同じように見せよう見せようと必死になってしまったら、そりゃあ普段あんまりにもハリウッド映画見慣れてる観客にとっては見劣りしてしまうに決まってるじゃない。
あとね、たぶん古いハリウッド映画でもちゃんと見れるのが多いのは、ただ特殊効果がうまいから、っていうのだけじゃなくて、ちゃんとそれぞれ見せたい目的にみあった見せ方をしているからだと思うんだよ。だからね。日本の映画でもどうせそういう効果使うんだったらせめて、どういう見せ方したいのかっていうのを明確にしてからつくってほしい。ギリギリだからこれが精一杯なんです、というのなら、その効果の質を落としてでも見せ方にこだわって、こう見せたいんだー!!ていうのを前面にアピールしてほしいです。それならきっと納得がいくよ。たとえしょぼーい効果だったとしても。逆に効果的だと思うよ。「お金なくてこうしました」って言ったとしても、「いや、それでこれはすごいよ」って別の意味で評価されるよ。
ていうか、この映画の戦闘シーンはなんだかとってもバトロワに見えたんだよ。人が吹っ飛んだりする感じが。なんで?もしかして同じ方法?時代も内容も全然違うのに?えー。ってずっと思ってた。


それから次になんでもかんでも詰め込みすぎるのはやめてほしい、ということを。
いや、この映画さ、主人公が誰だかよくわからんのさ。いろんなエピソードてんこ盛りで、けっきょく、登場人物の名前ほとんど忘れた。でね、けっきょく何をテーマにしたかったのか、本当にわからないまま終わったのさ。おじいちゃんなんでそうなるの!?て本当に思ったんだ。最後の方。
もし、戦争の痛烈さだとかを伝えたいと思ったのであれば、もっともっとシンプルにつくってくれよ、と思った。ひとりひとりいろんな思いを抱えているのはわかる。でも、それを全部突っ込んでしまうとそういうひとりひとりの思いはどんどん薄まって、けっきょくなんだったのか本当にわからなくなるんだって。それなら、ちょっと前にテレビで見た、実写版ほたるの墓のがよっぽどひどいと思ったし、よっぽどかなしい残酷な戦争が浮き彫りになったよ。あなた誰?ていう人が後半に入ってきたところでわんさか出てきて、がりがり混乱して、けっきょく、そういう人たちは宙に浮いたまま、映画が終わってしまって、けっきょく、「何だったの?あれって何?」ていう疑問符ばっかり残るの。せっかく大和なのに。3000人以上も乗ってた戦艦なのに。それはひどいだろう、と思う。
もし、この映画が大和を知ってもらうためにつくった、というのであったとしたら、これまたけっきょくなんだったの?ていう結論に落ち着いてしまうのさ。だって、大和は映画の中で完全に乗り物になってしまっていて(いや、乗り物に変わりはないのだけれど)、もしそれが何か他の船だったりしても、(そういうものは実在しないけれど)大人数乗せれる飛行機みたいなものだったとしても、きっと、なんの差し支えもないと思う。その程度の扱いしか受けていなかったと思う。映画の中で。
たとえば、よく小学生が夏休みの登校日に多目的室とかに集まって、戦争の映画とか見たりする時に、もしこの映画を見せられたとしたら、きっと、戦争がどういうものか、ということ以前に、恐怖とかえぐさとかを植えつけるばかりになってしまうと思うんだよ。そういうのって、「戦争」を扱う映画としてどうなの?ただの恐怖の材料にしているだけ?と、本気で思ってしまうような軽さだった。
どうせなら、本当にひとりの人を中心に映画が進むか、大和を中心に映画が進むか、どっちか腹決めて、切り捨てるところは全部ばっさばっさと切り落としてほしかったです。


あとは、演出の寒さだとか、素人にはさっぱりわからない部分の説明不足だとか、ストーリーの納得のいかなさだとかいろいろいろいろあるのだけど、言い出したらキリがないのでやめます。
せっかくなのに。なんだよ。涙も引っ込むよ。っていうのが最高にもったいないとすごく感じたばかりに生まれたもんです。日本の映画好きなんです。だからガリガリ言いたくなるんです。日本特撮映画大好きのおじさんにこういう話を見終わった後に延々していたら、おじさん元気がなくなるばかりかだんだん拗ねが入ってきたので、きっと読んでも気分は良くないんだろうな。。。というのは感じてるんです。
うーん。ごめんなさい。