沖で待つとか

芥川賞が2つ連続、とか、ご夫婦の本をセットで読んじゃった、とかは偶然。
あ、そういやこんな組み合わせじゃないの、なんてわたしもその事実にさっき気づいた。

沖で待つ

沖で待つ

そういえば、図書館で一気に読んでしまったのに記録忘れてたや、と思い出した。
読む前はなんとなく、ぼんやりとしたお話だったのかと思っていたのに、案外そうでもなく、かっちりちゃんとしたストーリーがあった。ので、びっくりした。このタイトルとこのお話がわたしの中でうまくかみ合わない感じ。でも、ぼんやりとしている時に突然、この話の登場人物を思い出してしまったりするから不思議。本当にその辺にいるような気がした、妙に。
それでも案外、一緒に載っていた勤労感謝の日のお話の方が印象強かったりもする。こっちは良い意味でのばかばかしさが読んでてすっきりした。

八月の路上に捨てる

八月の路上に捨てる

自動販売機の補充にまわる中であったことの話。
この人の話は前に読んだアンダー・マイ・サム (講談社文庫)でむーん、、とした印象を持ってしまっていたのだけれど、今回はそういうことはまったくなく。むしろ案外おもしろいやん、なんて少し好感を持ってしまったりした。
ただ、ところどころで突然飛んじゃう、というか文章の意味がわからなくなってしまう、というかそのしぐさとかやっていることとかが理解できなくなってしまうところがいくつかあって(なんとも不思議な感覚だった)、これは男の人をあんまり読みなれてないせいなのかしら、とも思った。

おやすみ、こわい夢を見ないように

おやすみ、こわい夢を見ないように

いろいろな現実にどこかで起きていそうな話がたくさんの短編集
全部三人称で書かれていたからかなんなのか、ものすごく規則正しく順序良くきっちりきっちりとした話だなあ、というのが全体的な印象。ここまで抜け目なく書けちゃうのはこの人ならではのすごいところなんじゃないかと思ったくらい。
お寿司工場で働くお母さんの話と「死ねって感じ」が口癖だった女の子たちの話が音楽やら映画やらみたいにずっと頭の中でリフレインしてる。

古道具 中野商店

古道具 中野商店

中野商店の日常とちょっとだけその後の話。
こんな古道具屋さんあったら通いたい、とか思いながら、読んでるとすごく落ち着いた。たぶんそれは最近川上さんづいてるせいだけれど、なんとなく、それだけじゃないような気もした。
それにしても。川上さんなのに普通の女の子と普通の男の子の微妙な恋模様がけっこう真ん中あたりに盛り込まれていて、それがものすごく衝撃だった。