ノルウェイの森


ノルウェイの森 下 (講談社文庫)ノルウェイの森 上 (講談社文庫)


読了。
いかん。こいつは読み直しと言えども、読んだのがほんっとうに昔だったから、いろんなことを忘れてたんだ。ほんとに。
一晩で一気に読んじゃったからか、もともとコイツが持ってるパワーがすごかったのかよくわかんないけど、とにかく止まらなくて、ずるずるずるずる引き込まれてしまって、今どつぼです。はまってますはまり込んでます、いろんな意味で。


こいつは本当に生を醜く、死を美しく描きすぎてて、気を抜くとつい死を羨んでしまいそうになる。
それでも生きるし、血が流れる生身(の女)に惹かれるのに、やっぱり死は美しくて儚くてリアルさがまったくなくて。困る。どっちが正しいなんてまったくわかんないから。
死によって何が変わるのかと言われれば、何も変わらなくて、ただそこには死のみあって、もちろん、愛する人たちに深い哀しみを与えることはできるけど、それ以外には何も与えることはできなくて、この哀しみだって日に日に薄れていくもので。
それなら生きてる方が、毎日いろんなものを与えることができるから良いじゃない。とは思うけど、死をえらんだ方がずっと美しく見える。
たぶん、それはあまりにも普遍的なものだからなんだろうな、と。
永遠、ってものによく憧れるけれど、永遠、なんてものは本当に生きているうちは得ることができなくて、そこで死をえらんでしまうと、永遠、になるからなんだろう。
たぶん、これはないものねだりで、いつも自分のそばにあるものなんだと思う。
「生は死を育むものだ」って言ってたし、きっとそれはずっとだ。


この本を読もうかな、と思ったきっかけが、この本を読んだからなんだけども。

悪の恋愛術 (講談社現代新書)

悪の恋愛術 (講談社現代新書)


この本では、男性は緑に、女性は直子に惹かれるんだ、と書いてあったけど、やっぱりわたしは直子だった。なんでなのかは説明できないけど、わたしにとって納得いくのは直子だ。うん。
この本では、緑は、男にとって、絵に描いたように都合の良い存在で、だから男は緑に惹かれる、と言われてた。
なるほどな、と思ったと同時に、そんなものなのか、とも思った。
たぶん、わたしは世界に期待しすぎてる節があるんだろう。美化しようとしては幻滅して。


もう。
このどつぼからなかなか抜け出せない。
うぎゃー。