最近読んだ本の話。


わたしはゼミで日本近代文学を専攻してまして。(本当は近代文学なんてほとんど読んだこともないのに。)
先週のゼミでは芥川が取り扱われたわけなんですが。
あんまりにも自分の心情とシンクロする部分が多すぎて(だいぶおこがましいけど)、びっくりして。
てかこんな言葉で言い表すことができるんか!!というわけのわからない感動もあって。
芥川龍之介、という人物に惹かれまして。
このままずるずる近代文学に浸れる機会かなーとちょっとした期待がおりまざったり。へへ。いい加減、まじめに読まなきゃいかんよなぁ。。。とも思うし。(←普段、ゼミで話にまったくついていけてないので。苦笑。)



文豪ナビ 芥川龍之介 (新潮文庫)

文豪ナビ 芥川龍之介 (新潮文庫)

芥川龍之介に惹かれてまずこれを読むあたり、本当に初心者だな!!という気分丸出しだったのですが。(もちろん、あとでちゃんと読む気は満々だったから【10分で読む「要約」芥川龍之介】ってところは読み飛ばしたけど。)
まず、芥川の作品の流れ(?)みたいな説明があって、それぞれの小説のあらすじの説明があって、著名人の芥川に関するエッセイがあって。という流れ。たぶん、どの文豪ナビもこんな流れなんかねぇ。。。と思いながらもパラパラと。
阿高田高と斎藤孝梨木香歩と。
なんだか新潮社の陰謀のような気配も感じつつ。(もちろん面白かったけど。)
【評伝】がもっといっぱいある(というか大部分を占めてる)って期待してたのになぁ。。。残念。
というか、論よりまず読め。と思った。けっきょく;;


河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)

芥川龍之介の人柄がもっとも色濃く出てるのは、末期の作品」と言われてるので迷わず河童。或阿呆の一生も読みたかったし。
で、「真実を書かなきゃいけない」ってのにだいぶ苦しんでたんだなー。と納得。手を変え品を変え、という印象があった。1冊通して見たら。
でも、やっぱ面白かったー。特に『河童』。
ひっさびさに「読み終わるのもったいないー」感があった。それでもずるずる引き込まれていっちゃうし。どこがどうとかじゃなくって、単純に面白くって。すげーすげー。と。
うん。さすが技巧派小説家。天才、とか言われるのがよーくわかった。(だいぶ偉そうな上にうまく言えない。。。涙。)
あと『歯車』。
自分の苦しみを正直に話して、ちゃんとわかってもらうことほど滑稽なことはないのかも。と言うか、自分がどんなに苦しくっても、たぶん、他人から見たらそれはものすごく滑稽なことにうつるのかもなー。
とすごく感じた。
あー。わたしもだいぶ歪んでるなーとも後で思って反省した。


砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

本屋に行って芥川モノを買ってくるのも面倒だったので、2年くらい積読されていた安部公房に手ぇ出してみた。


読んでる間中口の中はイガイガしてたし、胸ももやもやしてたし、何回も唾吐きたくなったし。困る困る。でもやっぱりなんだかやめたくないし。
ここまで読むのにいろいろ振り回されんのも久々だ。
脱走のとことか、ドキドキしてたし。
そうじゃなくっても、いつ狂っちゃうんだか!っていつもドキドキしてたし。
コイツも、ちょっと弱ってるときに読んじゃったりしたらすっかりどっぷり酔わされてしまいそうな感じ。

孤独とは、幻を求めて満たされない、渇きのことなのである。

これ見つけて、ちょっとドキッとした。

コミュニケーション力 (岩波新書)

コミュニケーション力 (岩波新書)

なんとなく、斎藤孝さんの本が読みたくなって、『読書力』と一緒に買った。
こういうの読むときって、自分が安心したいときが多いんじゃないかと思ったりして。あぁ、わたしはこれで大丈夫なんだ。みたいな安心感を求めて、ね。…なんだか陳腐だなーわたし。


読んでて思ったこと。
たぶん、わたしは知らない間に聞き上手になってて、ついでに場の空気(沈黙とか)もよむことできるようになってたんだなぁー。と。
ただ、コメント力とか質問力とか「沿いつつずらす」ってのがなかなか下手っぴだなー。と。どうやったら磨けるんかなー。と。
普段、こういう話を意識して考えることなんてないから、なかなか気づかないけど、こういう風に言葉で説明してもらえると、頭でこういうことを考えられるからちょっとすっきりする。

セックスは、コミュニケーションの華である。

ってのを読んで、ちょっと笑って、思いっきり納得した。
なんとなく、やっちまうと言葉で埋まらない分が埋まった気がするじゃない。
なんて。